冬の乾燥対策について①2026.01.14
こんにちは。

前回では加湿方法について住まい方を書きましたが
どうして乾燥するのか、説明します。
高気密・高断熱住宅において、冬期にエアコン暖房を行うと乾燥を感じやすくなるのは、
建物性能と空気の熱力学的性質が素直に現れている結果です。
冬季の外気は絶対湿度が低く、
その空気を計画換気によって取り込み、
室内で加熱すると、
水蒸気量は増えないまま温度のみが上昇するため、
相対湿度が低下する。
これは建物の断熱性能や設備方式に関わらず起こる物理現象である。
従来の低気密住宅では、すき間風による不定期な空気流入・流出や、
燃焼系暖房器具による水蒸気発生によって、
結果的に室内湿度が維持されていた側面があった。
しかしそれは「性能による制御」ではなく、「偶然の産物」に近い。
一方、高気密・高断熱住宅では、
• すき間風がなく
• 換気量が計画通りに管理され
• エアコン暖房のように水蒸気を発生させない暖房方式を採用する
ことで、室内の温湿度環境が設計通りに表れる。
乾燥が顕在化するのは、気密・断熱・換気が正しく機能している証拠でもある。
そのため高性能住宅では、
**暖房計画と同時に加湿計画を含めた「室内環境設計」**が重要となり、
加湿器の設置や生活行為を含めた湿度コントロールが求められる。
これを分かりやすく言うと
冬になると
「高気密・高断熱の家は乾燥しますか?」
と聞かれることがあります。
答えは、
**「乾燥しやすく感じることはあります」**です。
これは家が悪いわけではなく、
家の性能がきちんと働いているから起こる現象です。
冬の空気は、もともと水分がとても少ない状態です。
その空気を室内に取り込み、エアコンで暖めると、
温度だけが上がり、湿度は下がって感じられます。
昔の家はすき間が多く、
石油ストーブなども使われていたため、
知らないうちに湿気が出ていました。
高気密・高断熱住宅では、
• すき間風がなく
• 換気が計画的で
• エアコン暖房が中心
になるため、室内の空気がとてもきれいで安定する分、乾燥を感じやすくなるのです。
これは
• 壁の中で結露しにくい
• カビが生えにくい
• 家が長持ちする
という大きなメリットでもあります。
そのため、快適に暮らすには
• 加湿器を使う
• 室内干しを取り入れる
など、湿度を「つくる」工夫をしていただくと、冬もとても快適になります。
この「つくる」作業として浴室の使い方を前回書きました。

でも、雨、雪が多く天気予報を見てても湿度は多いような気がするけど...
何が違うのか?疑問もあると思います。
**結論から言うと「同じ"湿度"という言葉でも、見ているものが違う」**んです。
富山県の気候だからこそ、ここをきちんと説明しておきます。
結論を一言で
富山の冬は「湿度は高いが、水分量は少ない」
→ だから暖房すると乾燥します。
湿度には2種類あります
ここが一番大事なポイントです。
① 相対湿度(%)
• 天気予報で見る湿度
• 「その温度に対して、どれくらい水分を含んでいるか」
• 温度が下がると、同じ水分量でも%は上がる
富山の冬は
気温が低い+雨雪
= 相対湿度は60~80%になりやすい
② 絶対湿度(水分量)
• 空気1㎥の中に含まれる実際の水蒸気量
• こちらが「乾燥・結露・加湿」を左右する本質
冬の外気は全国どこでも絶対湿度がとても低い
富山の冬を例にすると(イメージ)
• 外気温:5℃
• 相対湿度:70%
→ 絶対湿度はかなり少ない(天気予報では出てこない)
この空気を室内に取り込み、
• 室温:20℃まで暖めると...
水分量は増えないまま、温度だけ上がる
→ 相対湿度は30%台まで下がる
これが
「外は湿っているのに、室内は乾燥する」理由です。
雪・雨が多い=空気が潤っている、ではない
富山の雨や雪は、
• 空気中の水分が多いというより
• 気温が低く、水蒸気を保持できない状態で降っている
つまり、
「湿っているように感じる」≠「空気に水分が多い」
という違いがあります。
設計者目線で言うと
高気密・高断熱住宅では、
• 外気の絶対湿度の低さが
• 換気を通してそのまま室内に持ち込まれる
ため、
• 暖房性能が良いほど
• 室温が安定するほど
乾燥がはっきり体感されるのです。
これは富山県のような
☑ 多雪
☑ 多雨
☑ 冬でも曇天が多い地域
ほど、誤解されやすいポイントです。
分かりやすく言うと(超重要)
「富山の冬は湿度が高そうに感じますが、
実は"空気の中の水分量"はとても少ないんです。
その空気を暖めると、どうしても乾燥します。」
この一言です。
まとめ
• 富山の冬でも絶対湿度は低い
• 相対湿度と水分量は別物
• 高性能住宅は「現象が正直に出る家」
• だから加湿は性能の延長線
最後に
湿度を「つくる」工夫をしていただくと、冬もとても快適になります。
(熱交換システムではなく第3種ダクト式換気システムの場合)
富山県魚津市の
小さなエネルギーで暮らせる高気密高断熱住宅
『住む人(施主)が主役の家づくり』を推奨してます。



