三日市のいえ(十五) 庭について2025.10. 8
こんにちは。

庭をつくる意味について書いてみます。
「新築住宅に庭や雑木林を設ける意味」は、
単なる"見た目の良さ"にとどまらず、
暮らし方・環境・建築性能・心理的な豊かさにまで関わる深い意味があります。
建築設計の立場から整理すると、主に以下の5つの側面で語ることができます。
① 暮らしの豊かさと季節の体感
雑木の庭は、
春の芽吹き・夏の木陰・秋の紅葉・冬の枝ぶりと、
四季の移ろいを身近に感じる場になります。
家の中にいても、窓越しに風の動きや光の変化を感じることで、心に余裕が生まれます。
「自然とともに暮らす」──これは機械的な快適さとは違う、人間らしい快適性です。
② 断熱・日射調整の一部としての機能
落葉樹を南面に植えると、
• 夏は葉が茂って日射を遮り、
• 冬は葉が落ちて光を取り込みます。
つまり、雑木林は「自然の断熱材」でもあり「外部ブラインド」でもあるのです。
Heat20 G2クラスのような高断熱住宅と組み合わせると、
さらに省エネで快適な室内環境が得られます。
③ 外との「間」をつくる
庭や雑木があることで、道路や隣家との間に柔らかな距離が生まれます。
塀やカーテンで遮るのではなく、見せながら隠す。
これは伊礼智さんがよく言う「内と外のあいだのデザイン」にも通じます。
雑木が、建築のスケールをやわらげ、まちに溶け込むやさしい表情をつくります。
④ 小さな生態系をつくる
雑木林の下には、鳥や蝶、小さな虫たちがやってきます。
それがやがて土を豊かにし、植栽が自然に循環していく。
つまり、自分の家の庭が、地域の環境の一部として機能するのです。
子どもにとっては自然とふれあう学びの場にもなります。
⑤ 家族の時間を外へ広げる
デッキや軒下とつながる雑木の庭は、
・眺める
• コーヒーを飲む
• 子どもが虫を探す
• 家族で夕涼みをする
そんな「半屋外の居場所」を増やします。
室内だけで完結しない暮らしが、住まいに奥行きを生むのです。
▪️まとめ
家の性能をしっかり高めた上で、庭や雑木林を添えると、
機械に頼りすぎない心地よさが生まれます。
風が抜け、木漏れ日が揺れて、鳥の声がする。
そんな当たり前の風景が、毎日の暮らしを少し豊かにしてくれるんです。
家も出来るだけローテク(機械に頼らない)になるようにしています。
↓造園計画の打ち合わせ資料です。
このように何度か打ち合わせを重ね施主とイメージ共有していきます。
家が1番でもありません、庭が2番でもありません...
調和、バランスが1番です。
玄関先にワンポイントも良し
「緑」がある生活は一つ豊かにしてくれます。

富山県魚津市の
小さなエネルギーで暮らせる高気密高断熱住宅
『住む人(施主)が主役の家づくり』を推奨してます。