黒瀬のいえ(五) 「見えない部分」にこそ、家の本質がある。2026.05.19
こんにちは。
今回の現場は、屋根の梁をそのまま見せる"登り梁"の空間構成。
前回のブログでパースを見てもらうとイメージ付くと思います。
天井を張らず、構造そのものを意匠として見せる設計です。
その時に難しくなるのが「断熱」と「通気」。
梁を室内側に見せながら、どうやって性能を落とさず、長く安心して暮らせる屋根をつくるのか。
そこで採用したのが、"外断熱屋根"という考え方です。
今回の仕様は、1層目ネオマフォーム90mm、2層目ネオマフォーム40mm
合計130mmの外断熱。
屋根の外側でしっかり断熱ラインをつくることで、
登り梁をそのまま現しにしながらも、Heat20 G2クラスをクリアする性能を確保しています。
さらに特徴なのが、"垂木部分の90mm全部通気層"。
ただ断熱材を厚くするだけではありません。
夏場の屋根は想像以上に熱を持ちます。
その熱気をしっかり排出するため、屋根全面に通気層を確保。
空気が軒先から棟へ流れることで、屋根内部の熱を逃がし、断熱性能を安定させています。
この「通気」が弱いと、
* 夏に2階が暑い
* 屋根下地が熱を持つ
* 湿気がこもる
* 材料の劣化につながる
そんなリスクが出てきます。
だからこそ、断熱と同じくらい"通気設計"は大事だと思っています。
そして登り梁の上には構造用合板24mmを施工。
これによって屋根面の水平剛性を高め、耐震等級3を見据えた構造にしています。
デザインだけでもない。性能だけでもない。
見えなくなる部分に、どれだけ理屈を積み重ねるか。
そこに、家づくりの本当の差が出ると思っています。
最近は「高性能」をうたう会社も増えました。
でも実際には、
* 通気が弱い
* 納まりが曖昧
* 数値だけ先行している
そんな建物も少なくありません。
断熱は"厚み"だけではなく、
通気・防湿・耐震・施工精度まで含めて初めて性能になります。
完成すると見えなくなる部分。
でも、住み心地はそこですべて決まります。
伊田直樹建築設計事務所では、
数字だけではなく、「長く快適に暮らせる理屈」を大切に設計しています。

原価を公表する分離発注方式により適正な価格を見える化、



