『坪単価の罠、そして「豊かさ」の引き算』2026.06.16
こんにちは。
家づくりの計画が具体化し、詳細な見積もりを集計し終えたとき、
多くの方が直面する壁があります。それは、「思っていた以上に工事金額が上がっている」という現実です。
建築の現場に身を置く人間として、この瞬間が施主様にとっていかに苦しいものか、
痛いほど理解しています。特に最近は、数字を追いかければ追いかけるほど、
出口が見えなくなるような感覚に陥る方も多いのではないでしょうか。
例えば、予算を3,300万円と決めたとします。
面積を35坪にすれば坪単価は約94万円。
しかし、予算のために30坪に抑えると、坪単価は110万円まで跳ね上がります。
また、25坪に絞り込めば、132万円という数字が並びます。
数字だけを見れば、「面積を小さくするほど割高になる。損をしているのではないか?」と感じるかもしれません。
しかし、これこそが家づくりにおける「坪単価の罠」なのです。
家という製品は、面積が半分になったからといって、キッチンや風呂、構造にかかる費用が半分になるわけではありません。
家の基本性能を担保するための「固定費」は変わらずそこに存在します。
だからこそ、面積を絞り込むほど坪単価という数字は上昇してしまう。
これは、家づくりにおいてはごく自然な現象なのです。
しかも
①過去より建物の大きさが小さくなっている
②社会情勢もあり価格が上がっている
だから、前回、過去の坪単価と比べても意味がないと思ったのです。
では、この状況で私たちはどう「落としどころ」を見つければいいのでしょうか。
私は、ここで**「数字の辻褄合わせ」をやめること**をおすすめしています。
坪単価を下げようと面積を広げれば、総額はますます膨れ上がり、
自分たちが本来求めていた「心地よさ」から遠ざかってしまいます。
数字の奴隷になるのではなく、一度立ち止まって、自分たちの暮らしの優先順位を問い直してみるのです。
面積を縮めてでも、守りたい「性能」や「素材」はありますか?
本当にその広さが必要なのでしょうか。
それとも、工夫次第で面積を抑え、その分を家全体の「密度」を高めることに充てられるのではないでしょうか。
25坪という数字に132万円の坪単価が並んだとき、それを「割高な家」と呼ぶのか。
それとも、限られた予算の中で、性能と暮らしの質を凝縮させた「濃密な住まい」と呼ぶのか。
捉え方は大きく変わります。
これからの時代、家を建てるということは、単に箱を作る作業ではありません。
社会情勢に翻弄されるコストを前に、
自分たちにとっての「譲れない豊かさ」を選び抜く、いわば「引き算の設計」なのです。
予算という制約を、どうか怖がらないでください。
その制約があるからこそ、本当に大切なものだけが残る、強く美しい住まいが見えてくるはずです。
「この予算で、どんな暮らしを手に入れたいか」。
その問いさえブレなければ、きっと納得のいく、あなただけの家づくりが待っています。
原価を公表する分離発注方式により適正な価格を見える化、



