日本の住宅は、なぜ今、高性能を求めるようになったのか。2026.11. 6
こんにちは。
日本の住宅は、これまで時代とともに大きく変化してきました。
戦後の日本は深刻な住宅不足に直面して、高度経済成長期には都市部への人口集中が進み、
とにかく多くの人に住む場所を確保することが求められていました。
その時代、国も住宅の大量供給を進め、住宅を建てるための制度や仕組みが整えられていきました。
建築基準法もその一つです。
ただし、建築基準法は本来、建物の安全や衛生などを守るための最低限の基準を定めた法律です。
当時の日本にとって、まずは安心して暮らせる住まいを確保することが重要だったのだと思います。
しかし、高度経済成長期を経て、日本の住宅事情は大きく変わりました。
住宅の数は増え、やがて世帯数を上回るようになります。
一方で、現在残っている住宅を見渡すと、断熱性能が十分でなかったり、冬は寒く、夏は暑かったり、
建物の耐久性や維持管理に課題を抱えていたりする住宅も少なくありません。
もちろん、当時の技術や社会背景の中で、丁寧につくられた良い住宅もたくさんあります。
ただ、住宅をたくさん供給することと、長く快適に住み続けられる住宅をつくることは、必ずしも同じではなかったのだと思います。
住宅を建てる時代から、住宅の質を考える時代へ
現在、日本は人口減少や少子高齢化、空き家の増加、エネルギー問題など、以前とは違う課題に直面しています。
これからは、ただ新しい住宅を建て続けるのではなく、今ある住宅を大切に使い、
これから建てる住宅も長く使い続けられるものにしていく必要があります。
国の住宅政策も、住宅の量を確保することから、住宅の質を高める方向へと変わってきました。
2025年には新築住宅への省エネ基準適合が義務化され、2030年にはZEH水準の省エネ性能を新築住宅の標準とすることが目指されています。
つまり、これからの住宅には、これまで以上に高い性能が求められているのです。
これからの住宅に必要なもの
私たちが考える高性能住宅とは、単に断熱材を厚くしたり、設備を高価なものにしたりする住宅ではありません。
大切なのは、建物そのものの基本性能です。
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断熱性能:冬暖かく、夏涼しい室内環境をつくること。
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気密性能:隙間を減らし、計画的な換気と冷暖房を実現すること。
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耐震性能:地震や積雪に対して、建物の安全性を確保すること。
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耐久性能:雨や湿気から建物を守り、長く使い続けられること。
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省エネルギー性能:少ないエネルギーで快適に暮らせること。
そして、これらの性能は設計図の上だけで完成するものではありません。
実際の現場で丁寧に施工され、気密測定などによって確認されて、初めて意味を持つものだと考えています。
大きな家よりも、中身のある家を。
住宅価格や建築資材の価格が上がっている現在、以前と同じような広さの住宅を建てることが難しくなってきました。
そこで私たちが考えるのは、必要以上に大きな家をつくるのではなく、
暮らしに必要な広さを見極め、その分、住宅の基本性能に予算を配分するという考え方です。
例えば、24坪の平屋。
小さくすることが目的ではありません。
無駄なスペースを省きながら、断熱・気密・耐震といった基本性能をしっかり確保する。
広さだけでは測れない、暮らしの質を大切にした住宅です。
30年後、50年後にも建ててよかったと思える家を。
住宅は、完成した瞬間がゴールではありません。
そこから何十年という暮らしが始まります。
冬の朝も快適に起きられること。
家族が安心して暮らせること。
無理なく維持管理ができること。
そして、長い年月が経っても、この家を建ててよかったと思えること。
この基本性能があれば、将来、住みたくない家=空き家にはならないでしょう!
日本の住宅が高性能を求めるようになった背景には、これまでの住宅づくりから学んだことと、
これからの社会が抱える課題があるのだと思います。
私たちは、一棟一棟の住宅と向き合いながら、今だけでなく、これから先の暮らしまで考えた家づくりを続けていきたいと思っています。
家の大きさではなく、住宅の中身で価値をつくる。
それが、これからの時代に必要な住宅づくりではないでしょうか。
そして、「自分たちが住み終えた後も、次の誰かが住みたいと思える家」
これが、高性能住宅をつくる本当の意味の一つだと思います。
原価を公表する分離発注方式により適正な価格を見える化、



